栄和興業株式会社

それでは、鋼材加工販売と総合建築業を営む栄和興業さんにお話を伺います！温泉施設の「さんゆー館」が目の前ですね！毎日、仕事帰りのひとっ風呂ですか。

確かに目の前ですが、だからといってそんなに頻繁には……（笑）それで当社の話ですが、もともとは鉄鋼業をしていて、建築用の鉄骨をオーダーにあわせて、切ったり曲げたりつなげたりしたものを商品として納品していました。

そのうち鉄骨の販売だけでなく、土木・建築工事にも参入していこうかということで、いまの形になりました。これまで多くのお客様に支えていただき、初代が創業した1963年から、おかげさまでもう60年近く事業を続けることができています。

まだ淡路島に鉄道が走っていた時代から続けてこられたんですね……。やはり秘訣みたいなものはあるんでしょうか？会社の強み、みたいなものとか。

とにかく、請け負った仕事には施主様に満足していただけるよう、誠実に取り組んでいます。それと、工場や現場の整理整頓は徹底しています。いつ施主様が見学にこられてもいいように、鉄骨も土木の資材もきれいに並べて、床に工具が散らかっていない状態にしています。日ごろから資材を大切に扱っているのを施主様に見ていただくことは、信用を得るのに大事なことだと思っています。

実際に、「これだけ資材を大切に扱っている会社なら信用できる！」と、取引を開始してくださった施主様もいらっしゃいます。ですから、常に工場や現場は整理整頓を心がけています。

確かに、工場の入口から見ると、全てがピシッときれいに並んでいますね。見ているだけでも気持ちがいいです。その他には何か、意識的に取り組んでいることはありますか？会社の雰囲気とか。

土木工事・建築工事は後世に残る仕事なので、後世の人達に恥ずかしくないような仕事、作品にしたいとは思っています。あと、前社長からは「人を大事にせよ」とは教えられてきたのでそのように意識はしていますが、実際の会社の雰囲気とかそういうことは、社員に聞いてもらう方がいいかも知れません。

では、ちょっとここで若手の方に交代してもらいましょうか。社長はいったん別室で待機ということで……。

すみません、そのあたりはなかなか私の口からうまく伝えることができなくて（笑）

いえいえ、ここからは、入社4年目の若手の方ですね。よろしくおねがいします。この栄和興業ってどんな会社ですか？

ありがちな言葉かもしれませんが、人間関係がすごくいい会社です。実は私、過去に事故で障がいを負ってしまって、左手を器用に動かせないんです。頭も打っているので、記憶することも苦手で、物を覚えるのに時間がかかるんです。それで、いままでいろいろな仕事をしてきましたが、長く続けることができず、1年くらいごとに職を転々としてきました。

そんな生活が続いて、前職を退職してからまた就職先を探していたところ、たまたまご縁があってこの会社と出会いました。面接の時、前社長に「障がいのあること、みんなに伝えていいか？」と聞かれたので「いいですよ」と答えて、他にいろいろと話をして結果的に採用になりました。

なかなかうまく仕事ができず、もどかしい思いもされたんでしょうね。でも採用になってよかったですね。

はい。それで入社日の朝礼で、前社長から全社員の前で私の紹介があったのですが、その時に「彼は事故で障がいがあって、こういう作業が苦手だが、みんなでサポートをよろしく」と話してくださったんです。

そんな風に、ちゃんと自分の障がいのことを伝えてもらったことは初めてで、とても嬉しかったんです。でもそれだけじゃなく、社員のみなさんもとても優しいんです。作業を教えてらうときも、「この方法だと左腕をうまく動かせないので、なかなか上手にできません」と言うと、「じゃあ手を持ち替えて、こうやってみたらどう？」と提案してもらえたり。

それまでの職場だと、障がいのあることが社内にうまく伝わってないことが多く、時には「こんなのができないなんてダメなやつだな」と思われることもありました。

でもこの会社ではそういうことが全然なくて、ほんとうに驚きました。

いまの社長は、「人を大事にせよ」という前社長の教えを、しっかり実践されておられるんですね。社員さんがみんな優しいのも、社長の人柄のあらわれでしょうね。

社員に対しての、社長の心配りや気遣いは本当にすごいと思います。社長との距離が近くて声をかけやすいので、気軽に相談をしやすいですし、細かいことでも一緒に考えてくださいます。社員間で意見の食い違いがあったときも、クッション役になってうまくおさめていただいたり。

おそらくどの社員に聞いても、この会社の一番いいところは人間関係と答えると思います。ですから、人間関係のことに悩むことがなく仕事に集中できますし、いままで一番長く働くことができています。会社全体でお互いを気遣う雰囲気がありますね。

ゆっくりなスピードかもしれませんが、技術も身についていって、少しずついろいろな仕事も任せてもらっています。これからもどんどん新しい仕事に挑戦していきたいですし、こんな職場は他にしらないので、これから先もずっとここで働きたいですね。

みんなが安心して働ける雰囲気を、社長がちゃんと作ってくれているんですね。お話ありがとうございました。では再び社長インタビューに戻りたいと思います。

なにかいい話を聞けましたか？若手の社員が安心して働けるような雰囲気ならいいのですが……。

人間関係が本当にいい会社なんだなと思えるエピソードが聞けましたよ。

そうですか。日々平穏で、社員みんなが気兼ねなくしっかり仕事に取り組むことができて、お客様に喜んでいただくことができれば何よりです。

シンプルなことですが、それが一番難しいのかもしれません。でもすごくいい会社づくりをされていると思います。他に社員さんの働きやすさのための取り組みはありませんか？

ワークライフバランスを大切にしています。父親も母親も、積極的に子供の行事参加ができるようにしていますし、趣味で長期休暇をとってもらうことも可能です。

過去に、サーフィンで1週間の休暇をとった社員もいますし、まあその時の会社の仕事量にもよりますが、10日くらいまでならなんとか……。

残った社員は大変ですけど、そこはお互いさまでなんとか回していきますし、ゴールデンウィークや年末年始だけではできない遊びもありますからね。

趣味で長期休暇とか、フランスみたいですね！働きやすさだけでなく、人生を楽しむこともできるなんて、豊かな生活が送れそうです。最後に、これからの会社の展望などはありますか？

当社は、鉄骨の加工販売、公共土木工事、鋼材の販売と3本の矢で事業を行っています。3本の中の1本が業績不振になっても、他の2本で補いあってきました。前社長の「人を大事にせよ」という教えのもと、いつまでも3本の矢が協力し合い、「社員が働きやすい会社・穏やかで居心地の良い会社」を維持し続けるようにしたいと思います。