ミツテック株式会社

企業の公式HPのトップ画面に「人類の解放」という言葉が出てくる会社は、このサイトが始まって以降初めてのことです。いったい何をしている会社なのか、教えてもらえますか？

“目視検査”という過酷な作業から人類を解放しよう！ というミッションを掲げているんです。今は人間がやっているその過酷な作業を代わりにできる機械の開発をしています。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、至って真剣です。

AIとか自動化、という方向ですね？

そうです。『進化したAI×人間と代われる高い技術を持った機械』をどんどん作っていこうとしています。 もともと、淡路島を代表する企業である三洋電機株式会社（現パナソニックグループ）が日本で初めて充電式の電池を開発し、弊社はその電池を自動で作る装置の開発と製造を担っていたんです。具体的に言うと、電解液を電池に注入する自動装置の開発と製造ですね。

電池の中の液体って、触ってはいけないイメージがあります。

おっしゃる通り、注入作業は危険を伴うので、装置の自動化が必須でした。その開発と製造のプロセスで結果的に液体の注入作業を必要とする自動化装置の技術力が向上し、その高い技術力が弊社の強みとなり、現在に至ります。

今では電池用以外の自動化装置も作っているのですよね？

はい。現在は自動車用の部品から薬品まで多岐に渡ります。液体を注入するといっても、製品や工程、工場の環境によって千差万別なので、いわゆるオーダーメイドになります。特に今も、そしてここから数年は自動車部品関連のご依頼がとても多く、2024年の春には4つ目となる新工場も竣工となります。

業績好調なのですね！ でも最初にお話されていた人類解放のお話が全然出てきていないのですが…

もちろん忘れていませんよ。むしろ、ここからが本番です。実は2021年に弊社は滋賀県を本拠地とし、カメラや画像処理の照明、センサーのメーカーである、オプテックスグループの傘下に入りました。ミツテックが培ってきた人の手足の代わりとなるようなメカトロニクスの技術と、オプテックスが培ってきた人の目や頭脳の代わりとなるセンシングを高いレベルで融合した技術を基盤としているのが今のミツテックなのです。

それが“目視検査”からの人類の解放ですね。業績好調でも、ぬかりありませんね。

来るべき先が見えない時代への備えでもありますが、外観検査って本当に大変なんです。金属部品やプリント基板などの完成品に傷が付いていないか本当に細かいチェックを人間がするのです。しかも長時間掛けて。気力も体力も消耗しますし、負荷がかなり高い仕事です。そんな仕事こそ、機械に任せられたら、もっと有益で違った時間と労力の使い方ができますし、それを可能にする装置の開発こそ、我々の真骨頂です。 また、オプテックスグループがある滋賀県に根付いている『三方良し』という考え方があります。売り手良し、買い手良し、世間良し、というものです。液体注入の技術力は今も変わらず誇りに思っていますが、我々の技術力をフルに生かした新規の自社製品を突き詰めていくことが、回り回って、既存顧客のオーダーに応える力の向上にもつながります。それは社内の人間の成長にもつながり、社会の役に立てる度合いが高くなることにもつながり、善循環が生まれるのです。 技術の高さや新しさは譲れないものではあるのですが、重きを置いているのは、顧客にとっての、現場での使い勝手の良さです。弊社には、「いかに顧客の要望や期待を上回る装置を生み出せるか」、を考えている社員が多いと思います。いかに簡単に使えるかとか、分かりやすいか、など単純なことですが、そこが一番大事です。使いやすい、楽になった、助かった、そういう風に思ってもらえるために、何ができるのかをひとりひとりが考えて仕事ができるかが重要です。

『三方良し』の循環ですね。

そうですね。特に最近は、勤めていることを社員が自慢できるような会社で在りたいという思いが強いです。会社を通して、仕事を通して、それぞれの自己実現が叶う。会社をそんな場にできないかということを福利厚生や待遇を含めて考えています。同じ職種であっても、同じ部署であっても、望むものは人それぞれ違うものです。家族との時間を大切にしたい人もいれば、海外でバリバリ働きたい人もいる。できるだけそれに応えられるようにと考えています。誇りを持てる仕事ができて、同時にワークライフバランスもしっかりできるよう、制度を整え続けています。

やはり技術系の社員が多いのですか？

８割はそうです。今でも技術系の社員がもっともっと欲しいです。女性の技術者にも是非とも来ていただきたいと思っています。

会社として新人の技術者の育成に力を入れていて、面倒見が良いという話を耳にしています。

入社１~２年目までは毎週のように社内勉強会があります。高校を卒業したばかりの新人で未経験から始める社員も多いですが、問題ありません。入社後に経験を積んでもらえれば成長できますから。実際に、入社後に文系から技術者になった人もいます。大切なのは、知的好奇心があるかどうかです。新しい分野や展開、技術に興味を持つことができるか、自分事にできるかどうか、技術者にはそれが必要不可欠だと思います。

「うちの会社は風通しがいいと思う」という声も聞きました。年齢が大きく離れていても話しやすかったり、役職で呼ばずに名字に「さん付け」で呼ぶルールを導入していたり、と。確かにオフィスを見ても、伝わってきます。

実際に、設計・開発のフロアは物理的な壁もありませんが（笑）、大げさでなく、部署ごとの隔たりもありません。困ったことがあったらすぐに誰かがフォローしてくれる、そんな関係が築けるように環境をつくっています。

設計～開発～製造まで一気通貫でできる会社ですからね。本当に通りが良い（笑）。

そこは弊社で働く面白さでしょうね。工場が併設する製造業というと同じことの繰り返しと思われがちですが、常に新しいことを考え、生み出していくのが我々の仕事です。新しいことへのチャレンジが好きな方は是非、訪ねて来てください。